「親不知」 「親知らず」 「wisdom tooth」
前から数えて8番目の歯です。
10代後半から20代前半に生えてくるので、親がそのことを知ることがないため、「親知らず」「親不知」と言われています。英語では「wisdom tooth(知恵・分別の歯)」、大人になって、分別がつくようになってから生えてくるからこのような名前の由来だそうです。
上下左右の一番奥に計4本ありますが、4本ある人、4本揃っていない人、もともとない人と個人差があります。
親知らずはきちんと生えてこないことが多く、まっすぐに生えたとしても、奥歯で歯みがきがしにくいため、むし歯になりやすい厄介な歯です。炎症を起こしやすいために、痛み、顔の腫れ、口が開きにくくなったりすることがあります。親知らずは不要なことが多いので、治療は抜歯になることがほとんどです。(抜歯しないで残すこともあります)。正常に生えていれば普段の抜歯と同じようにできますが、多くの親知らずは難抜歯になります。その度合いによっては、病院の口腔外科を紹介する場合もあります。
したがって、親しらずの治療の際は、抜歯をするメリット(痛み、不快な症状からの解放)とデメリット(処置によるその後の腫れや痛みの症状の発生リスク)を十分に歯科医と相談されることをお勧めします。また、抜歯の時期等も考慮されるとよいでしょう。
そもそもこんな必要がなさそうな歯がなぜあるのでしょうか?
大昔の人の食事には、この歯も活躍するような、硬い、噛みきれないものが多かったのでしょう。
現代は、包丁、ナイフで細かく刻んで、軟らかく食べやすくなったおかげで、親しらずもその機能を使う必要がなくなって厄介者扱いされるようになってしまったのです。進化と共に歯が退化してくれれば有難いのですが、形はそのままなところが痛い所です。