前歯が大きい!削って小さくすることはできますか?

上の前歯は笑ったときに最も目立つ部分です。この前歯が大きくて、もうちょっと小さくしたい、というお悩みを目にすることがあります。大きな歯を小さくするために、歯を削りたい!と考えてしまうことはありませんか?確かに歯を削ることで前歯のサイズを小さくすることはできます。しかし歯を削ることが本当に最善策なのでしょうか。今回は、前歯の大きさをバランスよく整える方法についてお話いたします。

前歯の平均的な大きさは?

前歯には名称がありますが、普段その名称で呼ぶことはまずありません。わたしたちが普段呼ぶ「前歯」は、上顎の正面に見える左右の歯であり、正式名称は「中切歯(ちゅうせっし)」です。

この中切歯の平均的な大きさは、男性で8.6ミリ、女性で8.5ミリ前後とされています。9ミリを超えるとやや大きいと判断されますが、ほとんどの方は平均的な大きさであると考えられるでしょう。

前歯が大きく見えるのはなぜ?

一般的に、中切歯は大きく見えるものであり、先ほど述べた平均の範囲内であれば、それほど気になるものではないでしょう。しかし鏡を見て自分の笑った口元を見たとき「前歯が大きくて目立っていやだ」と感じる方も少なくはありません。では前歯が大きく見えるのはどうしてなのでしょうか。

平均値より歯が大きい

中切歯の平均値を超えていると、どうしても歯が大きく見えてしまいます。サイズ的な問題になるでしょう。

中切歯の横の歯が小さめ

中切歯の隣の歯を「側切歯」と言いますが、側切歯が小さめですと、どうしても中切歯は大きく見えてしまいがちになります。

出っ歯や歯の向き、位置の問題

出っ歯も中切歯が大きく見える原因になります。自分では気にならない、あるいは気づいていないくらいの出っ歯の場合、医師に言われて初めて気づくこともあります。

また歯の向きや歯の位置によっては、視覚的に中切歯が大きく見えてしまうこともあります。

前歯の大きさはどうすれば小さくなる?

気になる前歯の大きさですが、歯を削って小さくしたい!と考えてしまうのも致し方ありません。歯を削ってしまえば当然、サイズを小さくすることは可能です。削るだけなので受診したその日でも改善しようと思えばできます。

しかし虫歯でない限り、安易に歯を削ることはあまりお勧めできません。歯を削ることで神経を抜かなければいけない、というリスクがあるからです。健康な歯の神経を抜き、将来的な歯の寿命を短くすることは得策ではありません。また歯を削ってセラミッククラウンを被せる方法もありますが、こちらも健康な歯をたくさん削るリスクを抱えてしまいます。

ではどのような方法が最善策というと、それは歯列矯正です。前歯の歯列を整えることで中切歯と側切歯の見え方が変わることがあります。前歯の歯列を改善するだけで、歯を削らずに前歯のバランスが良くなることも十分考えられます。インビザラインなどのマウスピース矯正なら事前にシミュレーションできますので、どのような変化が起きるのか試してみるのも良いかもしれません。部分矯正でも改善できるかもしれませんので、矯正の担当医に相談してみることをお勧めします。

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神経を取った歯の変色はどうやって改善する?

進行した虫歯や歯を折るアクシデントなどで神経を取り除く治療を行った場合、やがて根元がグレーっぽく変色してきます。特に前歯の場合、他の歯と比べると変色が目立ってしまい、気にする方も多いのではないかと思います。では神経を取った歯の変色は、どのようにして改善することができるのでしょうか。

ホワイトニングでは改善できない失活歯の変色

神経を取った歯のことを「失活歯」と呼び、神経がある歯と区別をしています。この失活歯はすぐに起こるのではなく、治療後数年経ってから変色が起きてくることが多く、審美面を下げてしまう要因のひとつでもあります。

歯を白くきれいにするという施術の代表は、ホワイトニングです。しかし失活歯はホワイトニングで白くすることは効果がほとんど期待できません。ホワイトニングのメカニズムは失活歯の変色には有効ではないのです。ホワイトニングは神経のある歯を白くする施術ですので、失活歯の変色の改善は、別の方法が必要になります。

失活歯の変色を改善させる方法は2つ

では神経を取り除いた歯の変色は、どのような改善法があるのでしょうか。考えられる方法は2つです。

ウォーキングブリーチ

失活歯の変色を改善する方法の一つ目は、ウォーキングブリーチという方法です。ウォーキングブリーチとは、神経を取った根管の中に漂白成分のある薬剤を入れて白くする方法です。2,3回繰り返すことで歯の変色が改善されてきます。納得のいく白さになれば、歯に蓋をして終了します。

歯の裏側から歯を削って穴を開け、そこへ薬剤を詰めます。歯を大きく削ることはなく、最低限削るだけで済みます。

なお神経が残っている歯にはウォーキングブリーチを行うことはできません。

ラミネートべニアあるいはセラミッククラウンを被せる

ウィーキングブリーチで納得のいく白さが得られなかったり、一気に歯を白くしたい場合はラミネートべニアやセラミッククラウンといったセラミック治療を行うことで、失活歯の変色を改善することができます。

ウォーキングブリーチと異なり、人工の素材を使って歯に貼り付けたり被せたりするので、審美性の改善は確実になります。ただ周りの歯と色調を合わせないと、セラミック治療を行った歯だけが妙に白くなり不自然な仕上がりになるため、周りの歯に馴染む、自然な色調を選ぶことが大切です。

またウォーキングブリーチと違い、歯を削る必要があることも理解しておく必要があります。

失活歯の変色に悩んだら、まず相談しましょう

神経を取った歯の変色の改善法についてお話しました。奥歯ならそれほど気にならないかもしれませんが、前歯の変色はとても気になると思います。神経を取った歯の変色も、ご紹介した方法できれいにすることができます。失活歯の変色に悩んだら、まずはかかりつけの医師に相談してみましょう。

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