矯正治療を始めると、それまでになかった矯正装置がお口の中に入るため、異物感を感じるようになります。それに加え、矯正装置の種類によっては滑舌が悪くなり、話しにくく差を感じることもあります。今回は、矯正装置と滑舌についてお話をいたします。
裏側矯正、マウスピース矯正は話し辛い?
矯正装置を初めて装着した時に感じるのはまず違和感です。お口の中に矯正装置が入ることで、これまで感じた事がなかった異物感、違和感を感じるのは誰もが共通するところだと思います。
そしてもうひとつ感じるのが、「話しにくい」ではないでしょうか。特に裏側矯正、マウスピース矯正においては特に話し辛さを感じると思います。
歯の裏側にあるブラケットや歯全体を覆うマウスピースがあることで舌が収まるスペースが狭くなり、下の動きを制限してしまいます。また舌に装置が当たることで、どうしても話し辛くなってしまうのです。
特に「サ行」「タ行」「ラ行」が話し辛く、聞いている側にとっても、口の中にアメやタブレットを入れているのかな?と感じることもあるようです。
マウスピース矯正は食事のときなどに外すことができるので、より装着時の話し辛さを感じるかもしれません。
特に接客業など人前でハキハキと話すことが不可欠とされる方は、矯正装置による滑舌の悪さに戸惑うかもしれません。このような問題が起きやすいことを考えると、活舌の悪さが影響しやすい方は裏側矯正やマウスピース矯正を避けたほうがいいかもしれません。
慣れるには個人差があります
矯正装置装着当初やマウスピースを交換した直後などは特に話し辛さを感じると思います。この滑舌の悪さは矯正が終わるまでずっと続くかというと、そんなことはありません。個人差がありますが、2~4週間程度で慣れると言われています。
最初は話し辛かったサ行なども、だんだん舌の動きが慣れてきて普通に話せるようになる方がほとんどです。
また舌の位置が改善され、本来の正しい動きに導かれる効果もあります。元々滑舌が悪かった方が、矯正治療によって正しい舌の動きに改善されることは、お口の機能の改善に繋がります。
歯並びを改善することがお口の機能の改善や向上に繋がる事を考えると、歯列矯正は生活の質そのものを高めてくれるのではないでしょうか。
見えない矯正、目立たない矯正にはこのようなデメリットがありますが、いずれ慣れてきます。ゆっくりそしてハッキリ話してみることで、普段の自分の話し方を意識する機会にもなります。
矯正装置にはそれぞれ違った特徴があるため、ライフスタイルに合った矯正治療法を選択することが大切です。