歯の矯正治療は、若い方だけのためのもの、と思っていませんか?歯並びを整えることは、見た目のコンプレックスの解消だけでなく、口元の健康にも大きく関わります。では成人の方、年齢を重ねた方が矯正治療をすることで、歯の健康にどのような効果をもたらすのでしょうか。
歯並びが悪いことで起きやすいトラブルとは?
出っ歯やガタガタの歯並び、噛み合わせの悪さなど歯並びが悪いと、様々なトラブルが起きやすくなります。では、歯並びや噛み合わせが悪いと、どのようなトラブルが起きやすいのでしょうか。
・むし歯
歯並びが悪いと、むし歯のトラブルが起きやすくなります。歯が重なっている部分の歯磨きがし辛いため汚れが溜まり、プラークが付き、虫歯菌が活動しやすくなってしまいます。むし歯は若い年代に起きやすいですが、年齢を重ねた方もむし歯リスクは持ち合わせているため、むし歯が再発しやすくなります。
・歯周病
年齢を重ねるとともに、歯周病の罹患率が高まります。歯並びの悪さや噛み合わせの悪さは、より歯周病のリスクが高まります。プラークや歯石は歯周病の元凶であり、歯周病によって歯を失ってしまいます。若い方は歯ぐきが腫れる歯肉炎で治まることが多いですが、将来的に歯周病へ進んでしまう可能性が高くなります。
また歯周病が原因で、歯並びが悪くなったり歯がおかしな方向へ向いてしまうことがあります。歯周病と歯並びや噛み合わせの悪さは大きく関わっていると言えるでしょう。
成人矯正で使用する矯正装置とは?
矯正装置には多くの種類がありますが、成人の方はどんな装置を使うことが多いのでしょうか。
マルチブラケットワイヤー装置
歯の表面にブラケットを付け、そこにワイヤーを通して歯を動かす、最もオーソドックスな方法です。固定式装置で、抜歯を伴う症例や難しい症例にも対応可能です。
マウスピース矯正
透明なマウスピースを交換しながら歯を動かす治療法です。ワイヤー矯正と比べると歯が動く痛みは穏やかで、食事や歯磨きもしやすいところがメリットです。ただ抜歯を伴う症例、難しい症例には対応ができない場合があります。
マルチブラケットワイヤー矯正もマウスピース矯正も、歯全体を動かす全体矯正、前歯だけを動かす部分矯正に対応できます。
矯正治療により、歯の健康を守ることができます
一般的に歯の矯正と聞くと、小学生や思春期のお子さんのための治療では?と思うかもしれません。大人になってから矯正治療をすることはできるの?と疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。
基本的に、矯正治療は何歳からでも始められます。中には50代60代といった年齢の方も矯正治療をスタートされており、年齢を問わず治療を行うことができます。
むしろ、長年歯並びの悪さのコンプレックスをお持ちの方は、歯の健康維持のためには成人矯正は必要ではないでしょうか。歯並びの悪さにより、むし歯や歯周病になると食事がしにくくなり、体の健康にも影響が出てしまいます。
ただ既に歯周病の症状が出ている方は、歯周病治療を優先するなど、歯科医師とよく相談して治療を進めなければいけない場合もあります。
歯を失ってから始めて気づく歯の大切さ。そこには歯並びの悪さも大きく影響しています。大人になってからの矯正治療は、歯の健康を守るという大きな意味合いがあります。
年齢に関係なく、歯並びや噛み合わせの悪さにお悩みの方は、専門医に相談してみましょう。