矯正治療が終了し、きれいになった歯並びを見て、矯正治療をして良かった!と気分も弾むことと思います。しかし矯正治療が終わった後に気を付けなければいけないのは「後戻り」です。後戻りを防ぐために欠かせないのがリテーナーです。今回は、矯正治療終了後のリテーナーがなぜ重要なのかについてお話いたします。
矯正治療後で最も気を付けたいのは「後戻り」
ワイヤーやマウスピースといった矯正装置を付け、歯を動かすための期間を「動的治療」と言います。動的治療を終えたばかりの歯は、元の位置へ戻ろうとする性質があるため、何もしなければ歯が動き、せっかくきれいに整えた歯並びを乱してしまう恐れがあります。
この動的治療終了後に歯並びが元に戻ってしまう症状を「後戻り」と言い、矯正治療後に起きる最も多いトラブルです。後戻りが起きないようにするためには、保定装置であるリテーナーを必ず装着しなければいけません。
矯正治療後のリテーナー、どのくらいの期間必要?
動的治療終了直後から装着する必要のあるリテーナーですが、いったいどのくらいの期間付けておくべきなのでしょうか。
1.1年~3年は着けておきたい
動的治療終了後はまだまだ歯の状態は不安定です。そのためリテーナーはできるだけ長期間付けておくことが望ましいでしょう。個人差はありますが、矯正治療に要した期間と同じくらいの期間が目安と言われており、およそ1年から3年くらいは着けておくことが望ましいでしょう。
2.できるだけ長時間装着する
リテーナーの装着時間はできるだけ長いほうが後戻りの防止効果を発揮します。ワイヤー固定タイプなら24時間付けたまま過ごせますが、マウスピースタイプや床矯正タイプといった取り外し式のリテーナーは、食事のたびに取り外すためワイヤーと比べると、どうしても装着時間が短めになります。食後や歯磨きが済んだあとは速やかにリテーナーを装着するよう心がけましょう。
3.安定してきたら装着時間は短くてもOK
動的治療終了後はできるだけ長い時間装着する必要がありますが、少しずつ装着時間は短くなり、最終的には寝るときだけ付けておくといった流れになります。
ただ自分で勝手に装着時間を短くしたり、リテーナーを付けること自体を止めることは禁物です。あくまでも矯正歯科医の判断によるものであり、自分で「もういいや」と判断してリテーナーを止めてしまうと、後戻りが起こる可能性が高くなります。必ず医師の指示を守るようにしてください。
歯並びや噛み合わせをキープするためにもリテーナーは絶対必要
矯正治療は長期戦です。長い年月をかけてようやくきれいになった歯並びと噛み合わせを維持するためには、リテーナーの使用が欠かせません。リテーナーを使用しなかったことによる後戻りが起きてしまうと、とても後悔してしまいます。矯正治療に費やした費用と時間が無駄になってしまうため、リテーナーは必ず付けるようにしましょう。