アマルガムって何?修復することはできますか?

お口の中に鉛色のような黒っぽい詰め物はありませんか?これは「アマルガム」という詰め物で、歯科素材のひとつです。歯を削った部分に詰める金属であるアマルガムは現在、ほとんど使われていません。銀歯とはまた違った目立つ詰め物であるアマルガムは、デメリットが多い素材です。現在使われることはほとんどなくなったアマルガムを取り除いてきれいに修復することはできるのでしょうか。

アマルガムとは?

虫歯で歯を削った場合、保険治療では白いレジンや金属の詰め物で修復をします。しかし以前は削った部分をアマルガムで詰めていました。このアマルガムは鉛色のような鈍い色をした詰め物で、水銀を50%含んだ素材であり、人体に影響が心配される素材です。水銀による人体への影響と聞くと、水俣病を思い浮かべる方が多いと思いますが、水俣病の原因となった水銀は有機水銀であるメチル水銀化合物です。

これに対し歯科用のアマルガムは無機水銀で有機水銀よりも害は少なく、ボタン電池や血圧計など身近なところで使われています。

アマルガムは無機水銀からできています。有機水銀と比べると人体への影響は少ないと考えられていますが、それでもアマルガムが与える悪影響はお口の中だけにとどまらず、全身の健康にも影響を及ぼしてしまいます。

アマルガムがお口の中にあると、年月をかけて少しずつ溶け出し、人体へと蓄積されていきます。水銀が体内へ蓄積されると、頭痛やめまい、疲労感、手足の痺れや冷えなどといった症状を引き起こしやすくなります。

今では使われることがほとんどなくなったアマルガムですが、30歳以降の方の虫歯治療痕として見かけることがあります。

アマルガムの見分け方

あなたのお口の中にアマルガムによる治療痕はありませんか?アマルガムの特徴を以下に挙げてみますので、チェックしてみて下さい。

・1990年~2000年以前に虫歯治療をしたことがあるかどうか

・銀歯と比べると光沢がなく、黒っぽい鉛色をしている

・被せ物ではなく、詰め物(臼歯部の噛み合わせ、前歯の裏側、歯の側面などに詰めてある)

アマルガムを修復することは可能です

アマルガムはそのままにしておいて良いことはありません。アマルガムを取り除き、レジンやダイレクトボンディング、セラミックインレーなど審美性が高く人体への心配がない素材へ治療をし直すことは可能です。

ただ、アマルガムを取り除く際に水銀を含んだ蒸気が発生するため、患者さんご本人だけでなく、治療を行う歯科医師やアシスタントにも水銀による悪影響を及ぼしてしまう危険性があります。

アマルガム除去および修復治療を行う場合、ラバーダム装着や口腔外バキュームの使用など、十分な安全管理のもとで治療をすることが望ましいと言えます。

もしお口の中のアマルガムのような詰め物があった場合、そのままにしておくことで体の健康に影響が出てしまう可能性があります。もしアマルガムのような治療痕があった場合、いちど歯科医師に相談してみるとよいでしょう。

 

当院の審美治療についてはこちら 桑名駅より徒歩5分 星野歯科医院

 

銀歯をセラミックに変えるメリットとは?

保険適用で安価に治療ができる銀歯ですが、実はデメリットが多い治療法であることを知らない方は案外多いのではないでしょうか。この銀歯を白いセラミック素材へと変えることで、銀歯にはない様々なメリットを得ることができます。では銀歯をセラミックに変えることで、どのようなメリットがあるのでしょうか。

銀歯は安価で強度も優れていますが・・・

虫歯で歯を広範囲にわたって削った場合や神経を取った場合、噛む機能を修復させるために詰め物や被せ物を使う必要があり、保険を使った治療を受けられると思います。

保険治療で選べる素材は決まっており、白いレジンか金銀パラジウム合金、最近ではレジンとセラミックを混ぜたCAD/CAM冠になります。

その中でも金銀パラジウム合金はいわゆる「銀歯」と呼ばれる素材であり、強度に非常に優れています。特に奥歯は噛む力を必要とする歯のため、強度が必要になりレジンやCAD/CAM冠では割れる可能性が高く、不安が残ります。そのため保険適用で奥歯の補綴治療を行う場合はほとんどが銀歯となります。

銀歯のデメリットとは?

銀歯の特徴は、「強度に優れている」「セラミックと比べて安価で治療ができる」というメリットがありますが、実はそれ以上にデメリットが多い治療法であることをご存じでしょうか?銀歯に伴うデメリットをご紹介します。

1.見た目が悪い

銀歯は審美性を大きく下げてしまいます。大きな口を開けたときに奥歯に銀歯がたくさん見えるのが恥ずかしくて思いっきり笑えない、というお悩みの声は非常にたくさん聞こえてきます。

2.二次カリエスのリスクが高い

銀歯は二次カリエスのリスクが非常に高い治療法です。二次カリエスとは、虫歯治療をした歯に再び虫歯ができてしまう、いわゆる再発です。銀歯の場合、歯と密着しません。どんなに精巧に形成されていても、わずかなすき間が生じてセメントが流れ出し、虫歯菌が入り込んで中で虫歯を作ってしまいます。またプラークが付きやすい素材でもあり、さらに虫歯リスクが高まってしまいます。

3.対合の歯を痛めやすい

強度に優れているのはメリットですが、銀歯の場合、対合の歯を痛めてしまう可能性があります。

4.金属アレルギーを引き起こす可能性がある

金属アレルギーとは、指輪やピアスなど金属によって皮膚に炎症が起きてしまう症状を言います。金属アレルギーがある方は、お口の中の銀歯によってアレルギーが起きる可能性があります。

このように、銀歯には審美面やお口の健康にとって様々なデメリットを併せ持った治療法ということがお分かりいただけるでしょう。

セラミックに変えるメリットについて

では銀歯をセラミックに変えることで、どのようなメリットを得ることができるのでしょうか。セラミックのメリットは、上で述べた銀歯のデメリットをカバーできます。

1.審美性に優れている

セラミックのメリットは、審美性の良さです。歯と同じ色調で作られるため、違和感のない、自然な美しさで笑顔に自信を持たせてくれます。

2.二次カリエスのリスクが低い

セラミックは金属と違い、プラークが付きにくい素材です。また歯との密着性も良く、虫歯菌が入り込みにくいため銀歯と比べて二次カリエスのリスクがかなり抑えられます。

3.対合の歯にも優しい素材

金属と違い、セラミックは対合の歯を痛めることがまずありません。強度を併せ持ちながら対合の歯にも優しい優れた素材です。

4.金属アレルギーの心配がない

セラミックは金属を使っていません。そのため金属アレルギーをお持ちの方でも安心して治療を受けることができます。

このように、セラミックは銀歯とは真逆の特徴を持った素材です。自費治療のため費用は高くなりますが、再治療を繰り返し、ご自身の歯にとってもデメリットが多いことを考えると、セラミックはお口の健康に優しい素材だと言えます。

今お口の中にある銀歯が気になる方は、いちどセラミックについて相談してみて下さい。

当院の審美治療についてはこちら 桑名駅より徒歩5分 星野歯科医院