矯正治療を始めると、歯にこれまでにはなかった矯正装置を装着して過ごすことになります。そのため違和感があったり、痛みを感じたりとこれまでの日常生活には思わなかった不便さを感じることと思います。
その不便さの中のひとつに「滑舌の影響」が挙げられます。では矯正装置を付けると、本当に滑舌に影響するのでしょうか。
どの装置もはじめは滑舌に影響が出やすくなります
矯正治療には、表側に装置を付ける表側矯正と、歯の裏側に付ける裏側矯正、そして取り外し式のマウスピース矯正があります。どの装置もメリットやデメリットがありますが、滑舌に関して言えば、どの装置も付け初めには滑舌に影響が出るものです。
話すときは舌の動きが大きく関わりますが、装置が入ると、装置によって舌の動きが制限されてしまうため、思うように舌が動きにくくなります。そのため話し辛くなってしまい、相手にも滑舌の悪さが伝わってしまいます。
これは矯正治療にはつきものであり、最初の難関と言ってもいいかもしれません。
滑舌は徐々に改善されていきます
では装置が入っていると、矯正が終わるまでずっと滑舌が悪いままで過ごさなければいけないのでしょうか。特に接客業や受付など、人前で話すことが多い方にとっては、滑舌の悪さが気になって矯正に踏み切れない、という方もおられることと思います。
滑舌の問題は、徐々に改善されていきます。表側矯正やマウスピース矯正の場合、個人差はありますが3~5日程度で慣れてくる方がほとんどです。
ただ裏側矯正は装置が歯の裏側についていることで、舌の動きが最も制限されやすい治療法です。そのためなかなか慣れない、しゃべりにくい、滑舌が悪いといった状態が続きやすいという声が良く聞かれます。
しかし裏側矯正についても、徐々に装置に慣れていくことで滑舌も気にならなくなります。
どうしても最初は違和感や舌の動きによって話し辛さが気になることと思いますが、時間が経つにつれて慣れていきますので、それほど心配しなくても大丈夫です。
装置によるトラブルに注意して
装置を付けると滑舌の他に気になるのが、装置によるトラブルです。装置が粘膜に当たることにより、傷ができたり口内炎になってしまうことがよくあります。インビザラインでは比較的少ないものの、他のマウスピースの形状によっては、歯ぐきの粘膜を傷つけてしまうことがあります。
またワイヤー矯正では、舌先に装置が当たって痛い、粘膜にワイヤーが当たるなど、傷がいくことによる痛みを伴ってしまうことがあります。
この傷をそのままにしておくとなかなか治らず、口内炎や潰瘍になってしまうことがあります。このようなトラブルが起きた場合、できるだけ早く受診をするようにして下さい。