むし歯やアクシデントなどで神経を取った歯は、やがて変色してきます。そのため他の歯と比べると審美性が悪くなるので気になる方もいらっしゃるでしょう。この気になる神経がない歯の変色は、白くできるのでしょうか。またその治療法についてもお話いたします。
神経を取った歯が変色するのはなぜ?
ひどいむし歯や、アクシデントで歯を折ったなど、神経を取らなければいけないということは決して珍しくありません。症状を改善させるために必要な処置とはいえ、神経を取ることはデメリットがほとんどです。失活歯と呼ばれる神経を取った歯は、健康な歯と比べて脆くなるだけでなく、のちに歯が変色してきます。気が付くと、神経を取った歯が黒っぽくなり、周りの歯と比べると見た目が悪くなることで、コンプレックスを感じることと思います。特に前歯の場合、目立つ部位のためすごく気になってしまうことと思います。
ではなぜ神経を取った歯は変色してしまうのでしょうか。
歯の内部には神経のほか、血管も通っていますが神経を取る際に組織の取り残しや血液が歯の内部に残ったままになることで、変色を引き起こします。特に血液は鉄分を含んでいるため、やがて黒っぽくなっていきます。これが神経を取った歯の変色の原因です。エナメル質から内部の変色が透けて見えることで、見た目にも表れてしまうのです。
神経を取った歯の変色はホワイトニングで白くなる?
神経を取って変色した歯を白くする方法としては、一般的なホワイトニングではそれほど効果は期待できません。では失活歯の審美性を改善させる方法は、どのような方法があるのでしょうか。
1.ウォーキングブリーチ
ウォーキングブリーチとは、神経を取った内部に漂白剤を入れ、1~2週間ごとに薬剤を交換して歯を白くする方法です。2~3回繰り返すことで効果が出てくることが多いです。歯を削る量が少なく、自費治療ですが、比較的費用を抑えられます。ただ、完璧に白く戻せるかどうかというと、満足のいく結果に至らないこともあるかもしれません。ご自身がどこまで白くしたいか、によります。
上記で失活歯のホワイトニングはそれほど効果は見込めないと申しましたが、ウォーキングブリーチで歯を白くしたあとに通常のホワイトニングを行うことで、審美性を回復できる可能性は高まります。
2.セラミック治療
セラミック治療は、歯を削ってセラミックの被せものを被せる方法です。セラミッククラウンやラミネートべニアといったセラミック素材を使用するので、確実に失活歯を白くできます。ただ歯を削る必要があるため、将来的に歯ぐきが下がってきた際に、歯と歯の境い目がむし歯になってしまう可能性があります。
神経を取った失活歯の変色はとても気になるでしょう。歯の色を気にせずに思いっきり笑ったり会話ができるよう、最適な方法やご自身が希望する方法を相談してみて下さいね。