気になる歯のすき間は矯正治療?ダイレクトボンディング?

歯と歯の間にすき間がある、いわゆる「すきっ歯」にお悩みの方はとても多いのではないかと思います。すきっ歯には前歯だけにすき間があるものと、全体的にすき間があるものに分けられますが、気になるすき間をきれいに改善する代表的な方法として、矯正治療およびダイレクトボンディングが挙げられますが、どちらの治療法が適しているのでしょうか。

ダイレクトボンディングと矯正治療について

ダイレクトボンディングとは、虫歯治療などで使う歯科用レジンを使い、すき間をレジンで直接埋める治療のことを言います。ダイレクトボンディングの良さは、通院回数が少なく最短で1回で治療を終えることができることです。また歯の色に合わせてレジンが選べるため、レジンと天然歯が自然と馴染むところもダイレクトボンディングの良さです。ただ噛み合わせに問題がある場合、ダイレクトボンディングでは噛み合わせの改善は不可能です。

いっぽう矯正治療はワイヤーやマウスピースといった矯正装置を使って歯を動かし、歯並びと噛み合わせを整えることができます。矯正治療の場合、ダイレクトボンディングと違い治療期間が長くかかります。部分矯正で改善できるケースなら3~6か月程度の治療期間で済みますが、症例によっては1~2年かかることもあります。

治療期間はダイレクトボンディングよりも長くなりますが、噛み合わせをきちんと整えることができるため、すき間だけでなく噛み合わせも改善する必要がある症例では、矯正治療のほうが適していると言えるでしょう。

すき間の広さや状態にもよる?

ではすきっ歯の場合、ダイレクトボンディングと矯正治療のどちらが適しているのでしょうか。前歯の間にすき間がある「正中離開」と呼ばれる症例は比較的よくみられます。前歯というとても目立つ部位にすき間があると、どうしてもコンプレックスを感じ、思いっきり笑うことも憚られるのではないでしょうか。

正中離開の場合、すき間が狭いものはダイレクトボンディングで十分対応可能ではないかと思います。しかし同じ正中離開でも、ハの字に広がっている、すき間がかなり広いとなると、ダイレクトボンディングでは治療が難しくなってきます。

特にハの字に開いてすき間ができている場合、矯正治療が最もきれいに改善ができます。

また全体的にすき間が見られる「空隙歯列」の場合、ダイレクトボンディングではなく矯正治療が第一選択肢となることが多いでしょう。

このように、同じ歯のすき間を埋める治療でも状態によって治療法が変わってきます。歯の色も同時に変えたい場合、思い切ってセラミッククラウンを被せるという方法も考えられます。

ダイレクトボンディングか矯正治療、どの方法が良いのかよく相談を

気になるすきっ歯の治療法についてお話いたしました。すき間の状態により、ダイレクトボンディングか矯正治療どちらになるのかが変わってきます。ダイレクトボンディングで改善できるのであれば、費用も治療期間も少なくすることはできますが、すき間のすべてをダイレクトボンディングで治療するのは困難なケースもあります。

まずはすき間の原因と状態により、どういった治療法になるのか、どうすればいちばんきれいに改善できるについてかかりつけの先生に相談してみましょう。

当院の矯正治療についてはこちら 桑名駅より徒歩5分 星野歯科医院

部活をするならワイヤー矯正?マウスピース矯正?

お子さんの矯正治療を考えるうえで気になるのが、「矯正装置を付けても部活ができるかどうか」ということがあると思います。ワイヤー矯正もマウスピース矯正も一長一短ありますが、部活をする場合、どちらの装置が適しているのでしょうか。

部活の種類にもよりますが・・・

装置を考える際に気を付けることが「部活の種類」ではないかと思います。というのも、体と体がぶつかりあう激しめのスポーツの場合、口元をぶつけて装置が破損し、お口の中を怪我する可能性が考えられるからです。口元をぶつけやすい代表的なスポーツとして、ラグビー、アメフト、相撲部などが挙げられます。このような場合、ワイヤー矯正よりも比較的怪我をしにくいマウスピース矯正が推奨されることが多いでしょう。

テニスや卓球、陸上などは相手と直接体がぶつかり合うことはないため、上記のスポーツに比べると口元を怪我する可能性は低いでしょう。そのためワイヤー矯正、マウスピース矯正いずれも対応が可能です。

しかし運動部に限らず、吹奏楽部も楽器によっては矯正装置が限られてしまうことがあります。金管楽器や木管楽器など、リードを必要とする楽器はワイヤー矯正では難しいかもしれません。楽器によってはワイヤー矯正よりもマウスピース矯正のほうが演奏に差し障りがないと考えられます。

このように、部活の種類によっては対応できる装置が限られてしまう、ということをまず理解しておく必要があります。

症例によって制限があるケースも

激しいスポーツや木管楽器、金管楽器などの吹奏楽の場合、マウスピース矯正のほうが生活上のリスクは少ないと思います。

しかし症例によってはマウスピース矯正ではなく、ワイヤー矯正のほうが適している場合もあります。例えば抜歯を伴う症例や、マウスピースでは改善が難しいオープンバイトや骨格性の受け口などが該当します。

こういったケースになると、非常に難しいのではないでしょうか。矯正治療を優先するか、部活を優先するかによって矯正のスタート時期も変わってくるかもしれません。

お子さんの考えや保護者の方のご希望もあるかと思います。御家族の間でじっくりと相談してみて下さい。

矯正治療をスタートさせる前にしておくべきこと

もし学生時代は部活を優先し、矯正治療はもう少し先にするとなった場合、いつでも矯正治療をスタートできる準備を整えておきましょう。それは、虫歯にならないこと、お口の中を常にきれいにしておくことです。矯正をする段階になり、虫歯ができてしまっていたら虫歯治療が優先になり、矯正治療のスタートが遅れてしまいます。

またお口の中が不潔な状態だと、歯ぐきが腫れて出血が起きる歯肉炎や、将来的に歯周病になるリスクが高まってしまいます。

もしすぐに矯正治療をスタートさせない場合、お口の中の状態を維持することを第一に考えておきましょう。

当院の矯正治療についてはこちら 桑名駅より徒歩5分 星野歯科医院