「菌血症(バクテレミア)」を予防するための歯科の役割

先週に続き今週も大阪での講習会です。
「歯原生菌血症を理解した予防歯科外来の確立実践講座」(花田信弘先生)、歯科外来で健康管理を目指すお話です。
穴の開いたむし歯や歯肉炎には小さな傷がついているわけですが、その傷からは一日数万個の細菌が血液の中に入ります。この細菌が血液の中に侵入した状態を「菌血症(バクテレミア)」と言います。口腔由来の菌血症は細菌が全身の血管に入りアデローム性プラークを形成して、それが脳梗塞や急性心筋梗塞とも関係しているということが明らかになってきました。つまり、口の中のデンタルプラークがむし歯や歯周炎があることによって血液中に入りこみ、それが血液中のアデノーム性プラークとなって動脈硬化や血栓を作り、恐ろしい病気を引き起こす原因の一つとなるということです。ですからこのような全身の健康を脅かす病気にならないためにも、始まりで制御することつまり口腔内を良い環境状態にする予防歯科の役割が大切だというお話でした。
このように歯とはかけ離れたところにある病気が、実は歯とも関係があるということを知っていくと、、そのたびに体の不思議を感じるとともに、医療の中での歯科医が関われることの深さに改めて考えさせられます。歯学を勉強し始めてから36年ぐらい経ちますが、まだまだ勉強しなくてはならないことがたくさんあります。年々固くなってゆく頭をもみほぐしながら知識を取り入れるよう努力していきたいと思います。
三重県 桑名市 歯科 星野歯科医院