新しい歯周病治療「歯周内科」とは?

強すぎるブラッシングはトラブルのもと!

歯周病は、日本人が歯を失う大きな原因のひとつとされる身近な病気ですが、その本質は「細菌による感染症」です。これまでの治療は、歯石除去やブラッシング指導など、物理的に汚れを取り除く方法が中心でしたが、近年では原因菌そのものに着目した「歯周内科」という新しいアプローチが注目されています。今回は、歯周内科による治療の特徴やメリットについてわかりやすくお話いたします。

歯周内科とは?一般的な歯周病治療とどう違うの?

歯周病は「細菌による感染症」として知られており、従来は歯石除去やブラッシング指導といった物理的なケアが中心でした。しかし近年では、原因となる細菌そのものにアプローチする「歯周内科」という考え方が注目されています。歯周内科は、内服薬や抗菌剤などを用いて歯周病菌を減らし、体の内側から改善を図る治療法です。

一般的な歯周病治療では、歯の表面に付着した歯垢や歯石を取り除くことで症状の改善を目指しますが、目に見えない細菌までは完全に除去できない場合があります。そのため、時間の経過とともに細菌が再び増殖し、再発を繰り返すケースも少なくありません。一方、歯周内科では顕微鏡や検査などを用いて口腔内の細菌の種類や量を確認し、それぞれに適した薬剤で直接的に除菌を行います。これにより、歯周病の原因そのものに働きかけることが可能になります。

この内科的アプローチの大きな特徴は、比較的短期間で症状の改善が期待できる点です。歯ぐきの腫れや出血、口臭、ネバつきといった症状が軽減されるケースも多く、患者自身が変化を実感しやすいとされています。 また、外科的処置を伴わないため、従来の治療に比べて痛みや身体的負担が少ない点もメリットのひとつです。

さらに、歯周内科は再発リスクの低減にも寄与します。歯周病は細菌が原因である以上、その数をコントロールすることが重要です。薬剤によって細菌の活動を抑え、口腔内の環境を安定させることで、歯ぐきの炎症や出血といった症状の再発を防ぎやすくなります。

定期検診を含む継続的な管理が必要

このように、歯周内科による内科的なアプローチは多くのメリットがあり、歯周病の改善として有効な治療法だと言えます。ただし、歯周内科だけで歯周病が完全に治るわけではありません。あくまで「原因菌を減らすための有効な手段のひとつ」であり、日々のブラッシングや定期的なクリーニングと組み合わせることが重要です。歯周病は生活習慣やセルフケアとも深く関わるため、治療後も継続的な管理が必要になります。

また、すべての症例に適応できるわけではなく、症状の進行度や体質によっては他の治療法との併用が必要になることもあります。そのため、歯科医院での適切な検査と診断を受け、自分に合った治療方法を選択することが大切です。

歯周内科は、これまでの「削る・取り除く」中心の治療に加え、「菌に直接アプローチする」という新しい視点を取り入れた治療法です。歯周病のリスクを根本から見直し、再発しにくい口腔環境を整えるための有効な選択肢といえるでしょう。気になる症状がある方は、早めに専門的なチェックを受け、適切なケアを始めることが大切です。

当院の歯周内科についてはこちら 桑名駅より徒歩5分 星野歯科医院

放置は危険!子どもの口腔機能発達不全症とは?

食べる・話す・飲み込むといったお口の機能は、子どもの成長に欠かせない大切な力です。しかし近年、それらが十分に発達していない「口腔機能発達不全症」の子どもが増えています。気づきにくいサインを見逃さず、早めに対策することが重要です。今回は、そのリスクと予防・改善についてお話いたします。

子どもの「口腔機能発達不全症」とは?

子どもの「食べる・話す・飲み込む」といったお口の機能が十分に発達していない状態は、口腔機能発達不全症と呼ばれ、近年注目されています。口腔機能発達不全症は見た目では分かりにくいことも多く、日常の中にサインが隠れているため、気づかれにくいのが特徴です。

例えば、「食べるのに時間がかかる」「あまり噛まない」「やわらかいものばかり好む」といった様子が見られる場合、お口の機能がうまく育っていない可能性があります。これは、舌や唇、頬などの筋肉が十分に使われておらず、発達が不十分なことが原因とされています。

このような状態を放置すると、単に食事の問題にとどまらず、さまざまな影響が出てきます。まず、口の周りの筋肉バランスが崩れることで、歯並びや噛み合わせの乱れにつながることがあります。さらに、顔のゆがみや発音のしづらさなど、見た目やコミュニケーションにも影響を及ぼす可能性があります。

また、口腔機能の低下は全身の健康とも深く関わっています。しっかり噛むことができないと、唾液の分泌が減少し、むし歯や歯肉炎のリスクが高まります。さらに、咀嚼不足は脳への刺激が減ることや、消化機能への負担、肥満傾向などにも関係するといわれています。

口腔機能発達不全症、考えられる原因とは?

将来的にも様々な悪影響が懸念される口腔機能発達不全症ですが、考えられる原因としては、離乳期にうまく「噛む・飲み込む」機能を習得できなかったことや、指しゃぶり、口呼吸、舌の位置の異常といった習慣が挙げられます。また、やわらかい食事が中心になり、口の筋肉を使う機会が減っていることや、スマートフォンやゲームの使用による姿勢の乱れも、機能低下の一因とされています。

では、どのように予防、改善していけばよいのでしょうか。まず大切なのは、「よく噛んで食べる習慣」を身につけることです。噛む回数を増やすことで、口の筋肉が鍛えられ、機能の発達につながります。また、姿勢を正して食事をすることや、口をしっかり閉じる習慣を意識することも重要です。

さらに、口呼吸や指しゃぶりなどの癖がある場合は、早めに改善していくことが望ましいとされています。必要に応じて、お口や舌のトレーニングを取り入れることも効果的です。

そしてもう一つ重要なのが、歯科医院での定期的なチェックです。お子さまの食べ方や話し方、歯並びなどに気になる点がある場合は、専門的な視点で口腔機能の発達状況を確認することができます。早期に気づき、適切に対応することで、その後の成長への影響を最小限に抑えることが可能です。

口腔機能は、一度しっかり育てることで将来の健康にも大きく関わります。子どものうちから正しい習慣を身につけることが、将来の歯並びや全身の健康を守る第一歩となります。ご家庭でも日々の食事や生活習慣を見直しながら、気になるサインがあれば早めに歯科医院へ相談することをおすすめします。