小さく浅いむし歯や、何かの拍子で歯が欠けてしまった場合、保険適用のレジンによる治療が最も一般的です。ところがレジンで治療した部分は変色しやすく、審美面を下げてしまいます。レジンで治療した部分が変色した場合、どのような治療法がお勧めなのでしょうか。
レジンは変色しやすい?
保険適用のレジンは、むし歯治療などとして最も一般的な治療法です。欠けた部分を削り、ご自身の歯に最も近い色調のレジンで修復するため、見た目も自然で治療したとはあまり分かりません。保険適用で、安価に治療ができるところもメリットのひとつです。
しかし、レジンは樹脂のため、色素や汚れ、細菌を吸収しやすいといったデメリットがあります。そのため年数が経つと茶色っぽくなり、歯との境目が目立つようになってきます。一見するとむし歯と思うかもしれませんが、実際むし歯になっていたり、ただ単に経年劣化による変色ということもあります。
経年劣化によるレジンの変色は、薄いものからかなり濃く変色しているものもあります。特に前歯は目立つので、レジンの変色が気になってしまう方も多いのではないでしょうか。レジンでの治療歴がある方は、いちど変色していないかどうかチェックしてみて下さい。
レジンの変色、どのような治療法がおすすめ?
レジンの変色をきれいに治す場合、どのような方法が良いのでしょうか。もし単なる変色だけでなく、二次カリエスでむし歯になってしまっていたらまずむし歯治療を先に行い、次に審美的修復へと進めていきます。保険適用のレジンで再度治療を行う方法が一般的ですが、数年後に再度同じように変色が起こる可能性が高いので、再治療を繰り返す分歯が少しずつ減ってしまう、というリスクが伴うことをまず理解しておきましょう。
ではレジン以外の審美修復として、どのような治療法がおすすめなのでしょうか。
・ダイレクトボンディング
白い素材を歯に詰めるという手法は保険適用のレジンと似ていますが、保険のレジンと違うのは、素材と、よりテクニカルな手法を用いるという点です。ダイレクトボンディング素材はレジンとセラミックが混ぜてあり、レジンよりも審美性が向上します。
・ラミネートべニア
前歯の審美修復の場合、ラミネートべニアが審美的に美しく仕上がります。歯は削りますが、セラミックを使った薄い素材ですので、削る量はそこまで多くありません。
・セラミッククラウン
前歯や小臼歯の審美修復の治療法です。歯に被せるので、見た目だけでなく丈夫な仕上がりになります。素材や色調も自由に選べるので、ご自身の希望に応じた仕上がりが期待できます。ただ歯をたくさん削らなければならないので、将来的に歯ぐきが下がり、審美面に影響が出る可能性があることを理解しておきましょう。
このように、変色したレジンの治療法は再度レジンで治療をするほかにも、審美性を重視した治療法があります。ご自身に合った治療法はどれなのか、歯科医師と相談してみて下さいね。