夏休みも始まり、親御さんたちは忙しい毎日を送っておられることでしょう。そこで気になるのが、お子さんから渡された、学校の歯科検診結果の内容ではないでしょうか。学校検診ではむし歯の他にいくつかの項目がありますが、その中で歯並びの項目にチェックが入っていたら、必ず矯正治療を考えなければいけないのでしょうか。
学校の歯科検診でチェックされる項目とは?
学校検診とは、小学校、中学校そして高校などで行われる、歯科の集団検診です。各学校によって検診時期は色々ですが、1学期中に学校医による歯科検診が行われ、夏休み前には検診結果の用紙がお子さんに渡されるところがほとんとです。
歯科検診内容でチェックされる主な項目とは、むし歯(う蝕)の有無、歯ぐきの腫れの有無、要注意乳歯の有無そして歯並び、噛み合わせなどです。
親御さんが真っ先に気になるのは、むし歯の有無でしょう。むし歯項目にチェックが入っていたら、まずはお子さんを歯科医院に連れていき、むし歯治療を希望されると思います。歯科医院で受診し、学校検診のとおりむし歯が見つかった場合、早期に治療をすることで悪化を防ぐことが可能です。また学校検診では分からなかったむし歯も見つかることがあります。
歯ぐきの腫れも、むし歯や歯肉炎に繋がるため、学校検診の用紙をもらったら、チェックが入っていた場合はもちろん、チェックが入っていなくても歯科医院で受診をしておくと安心でしょう。
歯並び・噛み合わせの項目にチェックがあったら?
では学校検診で、「歯並び・噛み合わせ」の項目にチェックが入っていたらどうでしょうか。お子さんの口元が明らかにガタガタの歯並びや受け口と言った、目で見て分かる状態であったら受診を考えることでしょう。
しかし、歯並び自体はガタガタでなくとも、噛み合わせに問題がある場合は、親御さんでは気づきにくいこともあります。そのため、歯並びや噛み合わせの項目にチェックがあったら、「歯並びは揃っているのにどこが悪いの?」と疑問に思われるかもしれません。
歯並び自体は悪くないのに噛み合わせに問題があるのは、「出っ歯」「過蓋咬合」「開咬」が考えられます。出っ歯の場合、歯だけが前へ飛び出ていたら分かるのですが、骨格ごと前に出ていると、案外気づきにくいのです。
もし学校検診で歯並び。噛み合わせの項目にチェックがあったら、まずはかかりつけ医を受診しましょう。親御さんでは気づかない、不正咬合が指摘されて初めてお子さんの不正咬合に気づくことがあります。そしてそれは、将来のお子さんの歯の健康に直結する可能性が高いかもしれません。
そのまま放っておかず、かかりつけ医に相談をしましょう。かかりつけの医院が小児矯正を取り扱っているなら、小児矯正の相談をすることが可能です。矯正を取り扱っていない医院さんなら、矯正歯科に紹介状を書かれるかもしれません。また、様子見と言われることもありますので、歯並びの項目にチェックが入っているから絶対に矯正治療をしなければならない、というわけではありません。
大切なことは、お子さんの歯並びや噛み合わせを親御さんが把握することです。むし歯や歯肉炎と違い、歯並びが悪くない不正咬合は親御さんでは気づかないこともあります。お子さんから学校検診の用紙を渡されたら、チェックがある項目はもちろん、チェックが無くても歯科医院で問題がないかどうか受診されることをお勧めします。