開咬を放置してはいけない理由について

悪い噛み合わせと聞くとすぐ思い浮かぶのは、出っ歯や受け口ではないかと思いますが、実は開咬という噛み合わせがいちばん問題があることをご存じでしょうか。開咬とは、奥歯で噛んだ時に前歯にすき間が生じ、前歯で噛むことができない噛み合わせです。

開咬は「オープンバイト」とも言われますが、そのまま放置しておくと非常に危険だと言われています。では開咬をそのままにしておくとなぜ危険なのでしょうか。

開咬について

開咬とは、奥歯で噛んだ時に上下の前歯の間にすき間がある噛み合わせであり、不正咬合の一種です。

奥歯で噛んだ際に上の前歯が下の歯を2~3ミリ覆っている状態が正しい噛み合わせです。ところが開咬の場合、奥歯で噛んだ時に上の前歯が下の前歯を覆わず、すき間が空いてしまいます。

前歯が噛み合っていないため前歯で食べ物を噛みちぎることはできません。そのため前歯を使って食べることができず、食事の際に食べづらさを感じます。

また話した時に空気が漏れやすく、発音が不明瞭に感じやすくなります。

開咬を放置することで起きるリスクとは?

開咬は一見すると不正咬合に見えないことがあります。特に開咬であるにもかかわらず、歯並びが乱れていないケースでは、噛み合わせに問題があることを見逃してしまう可能性があります。そのため本当ならすぐに治療すべき噛み合わせであるにもかかわらず、そのまま放置されてしまう危険性があります。

では開咬をそのまま放置すると、どのようなリスクが起きるのでしょうか。そのリスクとは、前歯が噛み合わないことにより、奥歯に過度な負担がかかることです。そのため虫歯や歯周病のリスクを引き起こしやすいと言われています。その結果歯を失い、入れ歯などになる可能性が高くなってしまいます。

また奥歯に過度な負担がかかりすぎているため、奥歯に痛みを感じることがあります。またそれだけでなく、将来的に顎関節症にもなる可能性があります。

このようなことから開咬は、不正咬合の中でも最も危険な噛み合わせであると考えられます。

奥歯を削ってはいけない開咬

奥歯が強く当たるのであれば、奥歯を削ればいいのでは?と思うかもしれません。しかし奥歯を削ることでますます開咬が悪化することがあるため、開咬の治療法として奥歯を削ることはありません。歯の当たりを軽くするために奥歯の治療を行うと再治療を繰り返すことになり、最終的に歯を失う可能性があるからです。

開咬は矯正治療で改善が期待できます

開咬を治すためには奥歯を削るのではなく、矯正治療が最も有効です。矯正治療はガタガタの歯並びを治すだけでなく、噛み合わせを整えることを真の目的としています。

開咬を矯正治療で改善するには、主にワイヤー矯正が治療の選択肢となります。またマウスピース矯正でも治療することは可能ですが、重度の開咬のケースではワイヤー矯正で治療を進めるのが一般的です。

矯正治療で開咬を改善することにより、奥歯への負担が軽減されること、また奥歯を削ることなく、歯の寿命を延ばすことができることが期待できます。

開咬は歯並びが悪くなければ気づきにくい症状です。奥歯が痛い、顎関節が痛いといった症状が出ることで初めて気が付くことがありますので、前歯で噛めないという症状がある場合、放置せずに早急に歯科医院に相談してください。

 

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